集合住宅で施工するフロアコーティングのメリット

集合住宅の内装では、フローリングをメインの床材に採用するのが一般的です。欧米風の生活スタイルが一般的となった現在では、畳敷きの需要が低いためです。しかしフローリングは負荷によってキズができやすい特徴があり、定期的なお手入れがかかせません。お手入れの負担を大幅に減らすには、フロアコーティングを行うという選択肢があります。

フロアコーティングをするメリット

フロアコーティングとは、各種の溶剤などを用いて床に被膜層を形成することで、汚れをつきにくくし、キズができるのを防ぐ技術です。フローリングは表面に光が反射するので屋内を明るくする作用があり、液体汚れなども染み込むまで時間があるので掃除がラクというメリットがあります。

また、和室と比較すると明らかな開放感があり、間仕切りも少なくなるので狭い床面積でも有効利用できるという側面があります。しかしフローリングの宿命の一つとして、家具などがわずかでも接触すると表面がはげたりキズになったりします。

経年劣化してからのでき事ならばともかく、傷つきやすさはフローリングの素材の新しさなどはあまり関係ありません。新築住宅であればキズひとつない無垢な状態のところを、わずかな運送スタッフの失敗一つでリペアしないと目立つキズの原因になってしまいます。

床が傷つくと補修工事でケアする必要がありますが、新築当初では手元に現金が少ないこともあって本格的な補修工事というのも現実的な選択肢にはなりえないということが判断できるでしょう。

このようなフローリングならではの課題も、フロアコーティングをしておくことで簡単にキズができ上がるのを防止できます。コーティング自体がグロスの感じの仕上がりになるので、中古物件のリフォームでも新築物件同様のフレッシュな雰囲気を堪能できるのもメリットです。

フロアコーティングごとの種類と特徴

ひとくちにフロアコーティングといっても、被膜の素材を形作ることになるコーティング剤の種類によって、特徴なデメリットなども異なってきます。集合住宅に使用するにあたっても、どの素材を採用するのかは、それぞれのコーティング剤の特性を充分認識することが前提になります。

そこでそれぞれの主要なコーティング剤の種類や特性を御紹介します。ガラスコーティングは、比較的値段が安く表面も堅牢で透明感のある仕上がりになります。リビングダイニングルーム仕様などの間取りでは、屋内を明るく維持できるので人気があります。しかし硬すぎることが仇になって上からの圧力に弱く、重量のある家具を載せると傷が付く可能性が否定できません。

水性ウレタン素材は、ニオイが少なく光沢もあまり出ないマット調になるので、落ち着いた雰囲気を重視したい人におすすめです。デメリットは乾燥・定着までの時間が長いことで、概ね一月ほどの時間が必要となります。

UVコーティングは、最も光沢が出るタイプで耐用年数が長いのがメリットです。さらに耐熱性にもすぐれているのでリフォームに際して床下暖房を実装したい方などからも人気を集めています。しかしこの素材の優れた点は当然価格の高さとなって返ってくるわけです。

このようにフロアコーティングにはいろいろな種類があります。どのタイプの素材が最適なのか充分な検討が必要です。

集合住宅にフロアコーティングを採用するメリット

集合住宅でフロアコーティングをすることのメリットには、素材により多少の違いはあるものの、表面に適度なツヤやマット調など演出したい雰囲気に合わせて選択できる点があります。フローリングむき出しのままよりも耐久性がアップすることも、間違いなくメリットの一つです。

しかしメリットには裏面のデメリットの存在があることを忘れてはいけません。とくに、フロアコーティングの施行件数が多い集合住宅では、予算面などからも十二分な検討を重ねてしかるべき課題ということができます。そもそもフロアコーティングは費用が嵩みます。

施行面積に比例して費用も追加されてくるので、集合住宅の戸数に応じて、フロアコーティング費用は高騰し、分譲価格や賃貸価格に付加せざるを得なくなるはずです。もちろん耐用年数が長いなど各種の機能性にすぐれた素材は一層のコスト増加を招くかもしれません。

もちろん普段から床を汚さない生活を実践していればさほど問題が顕在化することはないでしょう。しかしそのような事態は望み薄なので、定期的なメンテナンス費用とフロアコーティングにかかる費用をシミュレートして検討することをおすすめします。

集合住宅にフロアコーティングをする独自のメリットは、退去時の原状回復費用を巡ってトラブルになりにくいという点を指摘できます。堅牢で丈夫なフローリングなら、さほどのキズなども発生しないからです。

フロアコーティングとは、特殊な素材の被膜を形成しフローリングを保護することです。コーティング剤にはいろいろな種類がありますが、丈夫で自分好みの雰囲気を演出できるのがメリットです。ただ集合住宅では施行面積が広く、コストも相応に必要なのでコーティング剤選びは慎重に臨むことをおすすめします。

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